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冷蔵庫の中を開けると坐薬がいっぱい。だれにどれだけ使うのか分からない?

有効量、期限の確認を

皆さん、ご家庭の冷蔵庫を開けてみてください。いつもらったか、分からない坐薬がいっぱい保管されていませんか。
小さいお子さんがいるお母さんから、薬剤師に「子供に坐薬を使ったのですが、熱が下がらないんです。どうしたらいいですか」とか「だいぶ前にもらってだれの坐薬か分からない」など、電話で問い合わせがくることがあります。ほとんどのお母さんたちは、子供が突然熱を出した時のために坐薬を大事に保管してあると思います。
有効量、期限の確認を 今回は、坐薬のあれこれについてお話しします。中でも子供さんによく使われる坐薬に絞って紹介します。商品名ではなく一般名で紹介することをお断りしておきます。
「熱が出た」とか「耳が痛い」等で使われるものに、鎮痛消炎剤ジクロフェナクナトリウム坐剤があります。12.5ミリグラム、25ミリグラム、50ミリグラムと分量ごとに三種類あり、子供の場合、体重1キロ当たり0.5~1ミリグラムを使用します。回数は1日1、2回です。二回目を使うときは六時間あけてください。使う量が多すぎると、平熱より体温が低下したり、ショックを起こすこともあります。ですから高齢者や小児に投与する場合には、少量から始めます。
解熱鎮静剤のアセトアミノフェン坐剤は、50ミリグラム、100ミリグラム、200ミリグラムなど分量ごとに3種類あり、6~12歳では100~200ミリグラム、3~5歳で100ミリグラム、1~2歳で50~100ミリグラム、1歳未満で50ミリグラムを使用します。
アセトアミノフェンは、のみ薬の買い薬(かぜ薬・解熱鎮痛剤)にも含まれていることがあり、併用する場合、成分がだぶって体に多く入り過ぎることがあるので、注意が必要です。
また、坐薬イコール熱冷ましだけではありません。吐き気を止めるための消化管運動改善剤ドンペリドン坐剤や、ぜんそくの発作を止めるための強心利尿薬アミノフィリン坐剤などもあり、さまざまな症状に対応するために肛門(こうもん)に挿し入れる坐剤という剤形に薬がつくられています。
坐薬は、一つ一つ一本当たりの量が違います。たいていの坐薬は、体重で使う量が決められています。
成長が早い子供さんの場合、保管している間に、体重が増えて、有効量に足りなくなっている場合もあります。そこで「熱が下がらないんですけど」という相談もあるわけです。
坐薬をもらう時は、何に対して効くのか、体重何キロまで使えるのか、使用期限はいつまでか。薬剤師に確認してください。そして、それを薬の袋にしっかり書いてもらい、いざというときのためにとっておきましょう。使用期限が切れたものは捨ててください。正しく使うためにも、不明な点はお医者さんと薬剤師に相談してください。