ここから本文です

手が震えて目薬をうまくさせず、1回にたくさん使うおばあちゃん

症状に応じ使い分け

症状に応じ使い分け 薬剤師の訪問指導の現場で、おばあちゃんが言いました。「目薬、すぐねぐなってしまうんだいな。一週間に二本ねば足りね。」(目薬、すぐなくなってしまうんですよね。一週間に二本ないと足りません)
【薬剤師】「一週間に一本で普通足りるでしょう?」
【おばあちゃん】
「手震えで、なづぎや、ほぺたさ、落ちでちゃんと目さ入んねんだいな。したはんで、いっぱい使ってしまうんだや。」(手が震えて、おでこや、ほっぺたに、落ちてしまいちゃんと目に入らないんですよ。だからいっぱい使ってしまうんです。)
【薬剤師】
「ちゃんとさすのにいいもの持ってきてあげる。」
お年を召しますと手が震えて点眼薬をうまくさせないで困っているケースが散見されます。
そして治療効果がうまく出ないというのです。
お助け道具 そこで「お助け器具」登場です。その器具は、プラスチック製で直径4センチぐらのおちょこの形をしていて、真ん中が目薬の容器をさし込むように穴があいています。その穴に目薬をさし込み、容器ごと目の上に置いて点眼薬の胴体部分を押すと、一発で命中できます。
この器具をおばあちゃんに使ってもらってからは、きちんと一週間に一本のペースで使えるようになりました。
もちろん目の調子もよくなりました。また、無駄な目薬の使い方がなくなり医療保険の無駄の解消にも貢献してます。

あらためて正しい点眼薬の使い方を説明します。
まず穴をあけるタイプの容器は、穴があいているか確認を。穴のあいていない場合は、キャップを右にひねると穴があおきます。
次に、点眼薬の容器の先がまつげや目に直接触れないように、一滴、二滴とお医者さんに指示された量(滴数)をさします。目頭を押さえて、まばたきをしないでジーッと一分待ちます。二種類の点眼薬を使う場合は、五分くらい間隔をあけるのが効果的です。
保管は、目薬をもらったときオレンジ色やこげ茶色のビニールの袋に入っているものは、光に弱い点眼薬です。できれば家では、冷蔵庫など冷暗所での保管が最適です。冷たい方が「なづき」(おでこ)や「ほぺた」(ほっぺた)に外れても分かりますし、目に入ったときもそう快です。 手が震える場合は、補助器具をつかって快適に目薬を使ってください。補助器具など詳しいことは薬剤師に相談してください。