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牛乳や乳製品、制酸剤と一緒に飲むと効果が弱くなる薬の話

服用は水かぬるま湯で

県内のある町の老人大学(町主催の健康講座)での一幕です。
薬剤師が講師として「薬と賢く付き合う方法」を話しながら、こんな質問をしました。「薬を牛乳でのんでいる人、手を挙げてください」。これに対し三分の一の人が手を挙げました。あなたなら手を挙げましたか?
薬剤師からは、飲み合わせを考えると薬を牛乳でのむことはできるだけ避けてください―とお願いしています。
服用は水かぬるま湯で 医師が処方する薬の中で、テトラサイクリン系抗生物質の塩酸ミノサイクリン、ニューキノロン系抗菌剤のノルフロキサシン、オフロキサシン、などは牛乳、乳製品、胃薬の仲間の制酸剤(市販されているものも含む)の中のカルシウム、マグネシウム、アルミニウムなどと胃の中でくっついて吸収が悪くなります。そして薬の効果が百あるものが六十とか七十の力まで落ちてしまうケースもあるのです。
これらの薬は、風邪をひいた時やぼうこう炎、中耳炎、副鼻腔(くう)炎など細菌感染が原因で起きる病気によく使われます。つまり病気の原因になっている細菌(ばい菌)を殺す薬です。
本当は、飲み合わせが悪く、吸収が落ちて薬が効かなっかたのに、それを知らずにお医者さんは、違う薬に変えてしまうこともあります。
対策として、薬と牛乳・乳製品・制酸剤が胃の中で一緒にならなければいいわけですから、先に薬を飲んで、およそ一時間ぐらいたってから牛乳等を飲むことで解決します。これらは、薬局薬剤師が当たり前に説明していますので、きちんと説明を聞き、効果の上がるのみ方をしましょう。
また、市販されている制酸剤との飲み合わせが意外に落とし穴です。制酸剤をのんでいることの話も必ず薬剤師に言ってください。

しかし高齢者の方たちは、何種類もの薬を飲んでいますので「この薬は、乳製品でもいいです、この薬はだめです、一時間ほど時間をずらしてください」などと言っても、どれがどれだか分からなくなります。
挙げ句の果てに「かちゃくちゃなく」(わけがわからなく)なり全部牛乳でのむことになってしまうのです。
こうならないためにも薬は、水またはぬるま湯でのんでください。牛乳を飲むなといっているのではありません。薬をのんでから一時間ほど時間を置いて飲むのがいいでしょう。これらのことも服薬記録の「お薬手帳」に書いてもらうと安心です。